京都市の北部山間地域に脈々と受け継がれてきた伝統文化の体験を通じて、
その豊かな自然・景観・文化を次の世代に引き継ぐことの大切さを学んでいただくため、
過去に実施された『親子でめぐる伝統文化体験教室』の映像も交えながら、
伝統文化等の解説映像を公開しています。
棚田が美しい宕陰地域では、地域の伝統行事である‘虫送り’が行われています。虫送りとは、農作物の害虫を駆逐するために、その年の豊作を祈願して、たいまつを持って田を練り歩く郷土の風習です。現在は、棚田に無数の竹灯籠を設置して虫送りの風景を再現しています。
京都市右京区にある宕陰地域は、愛宕山のふもとに広がる「越畑(こしはた)と樒原(しきみがはら)」の二つの集落で構成される地域です。平安時代からの古い歴史を持ち、「にほんの里100選」や「つなぐ棚田遺産」にも選ばれた美しい棚田や里の花、清流など、昔ながらの懐かしい里山の風情を今に受け継いでいます。
(現地での体験は、令和4年8月27日(土)、令和5年8月26日(土)に実施)
京北地域は、昔から都の繁栄を支えてきた木材の産地であり、良質で豊かな水が育む米の産地でもあります。このもち米の稲わらを使い、古くから眼鏡型の玉飾りや京北伝統の三本すだれ等、様々な形のしめ縄が作られてきました。しめ縄には、邪気や悪霊を払う“魔除け“の意味があり、日本の伝統的な装飾品として古来から神事や儀式などで使われてきました。新年には門松とともに家々に飾られ、家内安全や商売繁盛、五穀豊穣を祈願します。
京北は、平安時代から都へ木材を供給してきた林業の里です。豊かな森林と蛍が舞う清流など良好な自然環境に恵まれ、皇室ゆかりの常照皇寺、明智光秀築城の周山城址など歴史遺産も豊富です。時代祭の先頭を歩く、維新勤王隊「山国隊」のふるさととしても知られています。
(現地での体験は、令和4年12月24日(土)に実施)
丹波音頭は、江戸中期近松門左衛門の「浄瑠璃」をくずした音頭に、踊りの振り付けをしたもので、丹波地方の伝統的盆踊りの定番となっており、京北では盆踊りに欠かせない音頭となっています。この伝統芸能を後世に引き継ぐため、京北丹波音頭・踊り保存会の方が地域の子どもたちに指導されています。
京北は、平安時代から都へ木材を供給してきた林業の里です。豊かな森林と蛍が舞う清流など良好な自然環境に恵まれ、皇室ゆかりの常照皇寺、明智光秀築城の周山城址など歴史遺産も豊富です。時代祭の先頭を歩く、維新勤王隊「山国隊」のふるさととしても知られています。
(現地での体験は、令和4年10月22日(土)に実施)
左京区別所地域には、香りが高く、葉が大きい良質のチマキザサが分布しており、昔から笹を採取・加工して、祇園祭の厄除け粽や京菓子用として出荷してきました。2004年頃からササの一斉開花、枯死の後、シカによる食害で絶滅が危惧されましたが、地域の保護再生活動により2021年頃から再収穫ができるようになりました。
別所は、市街地から北へ鞍馬をぬけて車で約50分、花脊峠を超えたところに広がる里山の風情を今に受け継ぐ地域です。祇園祭で使われる厄除け粽も、別所の良質の笹が使われ、都の伝統文化を支えてきました。市街地にも比較的近く、人の行き来が多い場所でもあり、市民農園や農家民宿など、豊かな里山の資源を活かした交流の場も魅力となっています。
(現地での体験は、令和4年10月22日(土)、令和5年10月21日(土)に実施)
「日本の柚子栽培発祥の地」として知られる右京区水尾地域では、愛宕山の伏流水と寒冷な気候が香り高い上質な柚子を育み、高級食材として、京料理店や和菓子店で重宝されています。収穫の最盛期を迎える11月から12月には、地域外からも収穫のお手伝いの人々が訪れ、柚子の里は一段と活気づきます。柚子農家の家々では、収穫された柚子を入れた柚子風呂と鶏鍋のおもてなしなども行われているほか、7月末の愛宕山千日参りや、秋の七草のひとつ「フジバカマ」畑に渡蝶のアサギマダラが訪れる10月には、多くの観光客が訪れ、賑わいを見せます。
愛宕山の裾野にある水尾は、水尾帝とも呼ばれた清和天皇ゆかりの地で、古くは山城と丹波を結ぶ交通の要所でした。また、坂道、石垣が美しい昔ながらのたたずまいを残し、柚子栽培の発祥の地とされ、香り強く希少価値の高い実生の柚子を守り育てています。風光明媚で自然環境に恵まれた「身近な里山」が魅力です。
(現地での体験は、令和4年11月12日(土)、令和5年11月11日(土)に実施)
北山杉の磨き丸太の発祥の地”中川”では、京都の伝統工芸品である磨き丸太づくりが盛んです。北山杉は室町時代に平安京の繁栄とともに高級建築に利用され、室町中期以来茶の湯の隆盛にともない、茶室など数寄屋建築に用いられるようになり発展を遂げ、600年の歴史を刻んでいます。茶道や華道で使う和室の床の間にある床柱や北山杉の垂木は、わびさびのある空間づくりに必要不可欠な存在です。
中川は、600年の伝統を誇る北山杉の産地として、そして川端康成原作「古都」の舞台となった地として、全国的に広く知られています。美しい杉林、木造丸太倉庫、傾斜地に建つ古民家は、先人から育まれた北山林業の生業を今に伝え、独特の風情を醸し出しています。
(現地での体験は、令和4年12月24日(土)、令和5年9月23日(土・祝)に実施)
花笠とは、ユネスコ無形文化遺産に登録されている左京区久多地域の花笠踊(毎年8月24日開催)において用いられる美しい造花で飾った灯籠です。四角の行灯を六角の台の上に固定し、その台の周囲に布を垂らし、菊や牡丹・朝顔などの精巧な造花で全体を飾り、灯籠と台の各面に切紙細工を貼って作ります。花笠づくりにおける精巧な技術は、踊りとともに地域に今もなお受け継れています。
久多は、京都市の最北端に位置する京都の奥座敷です。歴史は古く、室町時代から伝わる花笠踊りなどの伝統行事が受け継がれています。また、西日本では珍しい高層湿原「八丁平」には、貴重な自然が保たれています。キャンプ場、農家民宿等の豊かな「おもてなし」の環境も充実しています。
(現地での体験は、令和5年10月29日(日)に実施)
右京区京北地域は納豆発祥の地とも言われ、昔からお正月にはお餅で納豆を包み、塩や黒糖で味付けをした納豆餅を食べる風習があります。京北山国地域にある常照皇寺には、開山した光厳法皇がわらつと納豆を愛用していたことを示す絵巻物が伝えられています。茅の輪は、神社の参道に設けられる、茅萱(ちがや)で作った輪っかです。これをくぐることで、心身を清めて厄災を払い、無病息災を祈願します。
京北は、平安時代から都へ木材を供給してきた林業の里です。豊かな森林と蛍が舞う清流など良好な自然環境に恵まれ、皇室ゆかりの常照皇寺、明智光秀築城の周山城址など歴史遺産も豊富です。時代祭の先頭を歩く、維新勤王隊「山国隊」のふるさととしても知られています。
(現地での体験は、令和5年11月25日(土)に実施)
京都市の北部山間地域に受け継がれてきた虫送りの風習や愛宕山信仰とも関わりの深い松上げ行事、伝統芸能や食文化など、里山の文化を紹介します。
「松上げ」の視聴体験が出来ます。愛宕山信仰に由来する「松上げ」は、京都市北部山間地域に伝わる伝統行事です。先端に籠を取り付けた灯籠木を立て、火のついた松明をカゴに投げ入れ、点火後に灯籠木を倒します。火難除けや五穀豊穰祈願と、お盆に迎えた精霊を送る神事です。